東京都のPFAS泡消火薬剤交換補助金|最大700万円、対象設備・補助対象経費・申請のポイント
地下駐車場などに設置されている泡消火設備に、PFOS(ピーフォス)やPFOA(ピーフォア)を含む泡消火薬剤が使用されている場合があります。
東京都では、こうしたPFASを含有する泡消火薬剤を、PFOS・PFOAを含まない泡消火薬剤へ交換するための費用を補助する「PFOS等含有泡消火薬剤の転換促進事業」を実施しています。
2026年度(令和8年度)からは、従来のPFOSに加えてPFOAを含有する泡消火薬剤も補助対象となりました。
対象となる設備を所有・管理している事業者やマンション管理組合にとっては、交換費用の負担を大きく軽減できる可能性があります。
補助金はいくら受けられる?
補助対象者によって補助率と上限額が異なります。
・大企業
補助対象経費の2分の1
上限500万円
・中小企業、マンション管理組合、公益法人等
補助対象経費の3分の2
上限700万円
例えば、中小企業やマンション管理組合で補助対象経費が600万円の場合、条件を満たせば最大400万円が補助対象となる計算です。
ただし、実際の補助額は補助対象として認められる経費や申請内容によって決まります。
どのような泡消火設備が対象?
主な対象は、
「東京都内の駐車場に設置されている固定式泡消火設備」
です。
例えば、
・マンションの地下駐車場
・オフィスビルの地下駐車場
・商業施設の駐車場
・工場や事業所の駐車場
などに設置されている設備が考えられます。
一方、消防車や一般的な消火器は、この補助制度の対象ではありません。
そのため、
「PFASを含む消火薬剤なら何でも補助対象になる」
という制度ではない点に注意が必要です。
交換工事だけでなく廃棄・洗浄費用も対象になる可能性があります
この補助制度では、単に新しい泡消火薬剤を購入する費用だけでなく、一定の条件のもと、
・PFOS・PFOA非含有泡消火薬剤の購入費
・泡消火薬剤の据付け等に必要な費用
・泡消火薬剤貯蔵槽の洗浄費用
・配管等の洗浄費用
・撤去したPFOS・PFOA含有泡消火薬剤の処理費用
なども補助対象経費となります。
PFAS含有泡消火薬剤の交換では、古い薬剤を抜き取るだけでなく、設備内部の洗浄や廃液の適正処理が必要になる場合があります。
このため、設備の規模によっては工事費・処理費が相当額になることがあります。
補助制度を利用できるかどうかは、交換を検討する際の重要なポイントになります。
まず確認したい「PFOS含有泡消火薬剤管理台帳登録済証」
補助申請にあたって特に注意したいのが、対象設備の確認です。
東京都は補助条件として、一般社団法人日本消火装置工業会が発行する
「PFOS含有泡消火薬剤管理台帳登録済証」
または
「泡消火薬剤管理番号シール」
が交付申請日までに貼付されている設備であることを求めています。
そのため、補助金を検討する場合には、まず消防設備業者等とともに、
- 泡消火設備が設置されているか
- 使用している泡消火薬剤の種類
- PFOS・PFOAを含有しているか
- 管理台帳登録済証等の有無
を確認しておくことが重要です。
「交換してから補助金を申請」は避ける
補助金では、工事や契約を行うタイミングが重要です。
「設備が古いので先に交換して、後から補助金を申請すればよい」
と考えて工事を進めると、補助対象にならない可能性があります。
そのため、交換を予定している場合には、
設備確認
↓
見積取得
↓
補助対象の確認
↓
申請
↓
交付決定
↓
交換工事
という流れを意識することが大切です。
実際の契約・発注時期については、必ず最新の募集要領・交付要綱等を確認してください。
2026年度の申請期間
2026年度の申請期間は、
2026年4月1日から2027年3月31日まで
とされています。
ただし、東京都は「基金の限度額に達した時点で受付終了」としています。
そのため、交換予定がある場合には年度末まで待つのではなく、対象設備かどうかを早めに確認することをおすすめします。
また、交付決定後、2027年10月29日までに検査を完了し、東京都環境公社へ実績報告を行う必要があります。
こんな方は一度対象確認をおすすめします
次のような施設を所有・管理している場合には、泡消火設備を確認してみる価値があります。
・東京都内に地下駐車場のあるマンションを管理している
・ビルや商業施設に古い泡消火設備がある
・消防設備点検でPFOS含有泡消火薬剤について指摘された
・消防設備会社から泡消火薬剤の交換を提案されている
・PFAS含有薬剤であることは分かっているが交換していない
・交換費用や廃棄処理費用が高額なため対応を延期している
特に、マンション管理組合の場合には、交換費用が大きくなると修繕予算との調整が必要になります。
補助制度が利用できることが分かれば、交換計画を検討しやすくなる可能性があります。
消防設備業者と行政書士の役割
この補助金では、消防設備そのものについての技術的な確認と、補助金申請手続の双方が必要になります。
消防設備業者は、
・設備の確認
・薬剤の種類の確認
・交換工事の検討
・見積書の作成
・交換工事
などを担当します。
一方、行政書士は、事業者や消防設備業者から必要な資料をお預かりし、
・補助対象要件の整理
・申請書類の作成
・添付書類の整理
・東京都環境公社への申請手続支援
・実績報告に必要な書類の整理
など、申請手続面から支援することができます。
消防設備業者と行政書士が連携することで、設備交換と補助金申請を並行して進めやすくなります。
PFAS泡消火薬剤の補助金申請についてご相談ください
当事務所では、東京都内のPFOS・PFOA含有泡消火薬剤の交換を検討されている事業者、マンション管理組合、消防設備事業者等からの補助金申請に関するご相談を承ります。
「この設備は補助対象になるのか」
「消防設備会社から見積書をもらったが、この内容で申請できるのか」
「申請にどのような資料が必要なのか」
「マンション管理組合でも利用できるのか」
といった段階からご相談いただけます。
補助金は工事を進める前の確認が重要です。
PFOS・PFOA含有泡消火薬剤の交換を予定されている場合は、工事発注前にお問い合わせください。
※本記事は2026年9月時点の東京都の公表情報をもとに作成しています。補助制度の内容は変更される場合があります。実際の申請にあたっては、最新の交付要綱、募集要領等をご確認ください。

